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珪藻土や漆喰無垢木材自然素材を利用した事例
科学的データによる木材・木造建築物の効果自然素材に関するブログ


平成28年林野庁の委託のよって、構造振興(株)が都市の不質化等に向けた新たな製品・技術の開発・普及委託事業(木材の健康効果・環境貢献等の評価普及のうち、木材の健康効果・環境貢献等に係るデータ整理)により取りまとめられた成果があります。「木の良さ」に関する知見や研究で得られた情報を入手し、化学的な視点で検証、整理してまとめてあります。

科学的データによる木材・木造建築物の効果

木材・木造建築物の人への効果

木材あるいは木造建築物には、人のストレスを 少なくする、疲れにくくするなど、生理的な効果・ 身体的な効果があることが科学的に明らかになってきました。
この、人への効果の内容を、科学的に 検証されたデータをまじえて紹介します。

木材の匂いによる効果

心理的な効果はもちろん、血圧を低下させるなど、 体もリラックスさせる作用を持つことが明らかになってきました。

●スギチップの匂いの作用により血圧が低下したとの報告があります。

男性被験者(20歳代、14名) に対し、20秒間の安静の後、90 秒間スギチップの匂いを呈示し、 血圧を計測しました。  その結果、吸入開始後収縮期 血圧が低下し、開始後40~60 秒で吸入前に比較して有意な低 下を示しました。  血圧はストレスがかかると上 昇することが知られています。  したがって血圧が低下したと いうことは、スギの匂いにより 体が「リラックス」したことを 表していると解釈されています。

木材の匂いを嗅ぐ効果

人体の免疫系への働きかけが徐々に明らかになりつつあります。 風邪の予防などに木材の匂いを活かせるようになるかもしれません。

●ヒノキの匂い成分がヒトの免疫細胞の働きを上昇させたとの報告があります。

 免疫細胞のひとつとしてナ チュラルキラー(NK)細胞と呼 ばれる細胞があります。  都内で働く30~60歳代の男 性を対象とした研究で、ヒノキ の匂い成分である精油が、この NK活性を上昇させた可能性が あるとの報告があります。  ヒノキ材精油を揮発させた室 内に3日間宿泊滞在した前後の NK活性の変化を調べたところ、 滞在前に比較して滞在後に有意 に上昇していました(左図)。  また、滞在の前後で、ストレ ス指標である尿中ノルアドレナ リンは有意に低下していました (右図)。  ストレスが軽減し、そのこと がNK活性の上昇につながった のではないかと考えられます。

木材の視覚的な効果

木材は視覚的に心理的な印象に影響するとともに、 心拍などの生理面に影響することが明らかになりつつあります。

●生理応答や快適感などに影響を及ぼすことが明らかになりつつあります。

検証1:木材率が生理応答や快適感に影響を


木材率(全内装面に占める木 材の面積比率)が自律神経系の 生理応答や快適感などに影響を 及ぼすことが明らかになりつつ あります。広さや調度品が同じで木材率 の異なる部屋(左写真)におい て、血圧、心拍、脳血液動態な どの生理応答の測定および部屋の主観評価が行われました。その結果、木材率が45%の 部屋では心拍数が有意に増加し、 木材率が90%の部屋では収縮 期血圧が有意に低下しました。しかし、木材率が0%の部屋 では、これらの生理応答に変化 は見られませんでした。


検証2:梁・柱の視覚刺激で心拍数が増加し覚醒効果が


天井・壁の、造作の梁や柱の 配し方が異なる部屋(右写真) において心拍の測定を行い、覚 醒効果があるのかを検証した実 験があります。その実験では、標準の部屋 (Standard)と比べて、梁や柱を配した部屋(Designed)で は、梁や柱の視覚刺激で心拍数 が増加していることが分かりま す(下図)。そのことから、内装に木製の 梁や柱を付加することで、覚醒 効果があるといえます。



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木材を内装や外装に用いた場合の人の印象

「あたたかなイメージ」など良好な印象を与えることが、 明らかになってきました。

●内装に木材を使うと「快適」など好印象を与える、という報告があります。

内装に木材を使用することに より「あたたかい」、「明るい」、「快適」などの良好な印象を与え るという研究結果が、次の視覚 的効果を評価した実験により得られています。木質化した事務所と木質化し ていない事務所の内装写真20 枚(左)を、説明なしに被験者 (大学生)に見せ、その写真を似 ていると感じたもの毎にグルー プ分けさせた後、その理由や印 象の聞き取りをしました。聞き取りした内容をテキスト マイニングおよび多次元尺度構 成法によって分析・解析した結果が下の図になります。

左の図では、各写真や単語の位置が相互の関係性を表してい ます。関係性が強いほど相互の距離 が小さく、逆に関係性が弱いほ ど離れて表現されます。つまり、木質(No.2、7、10、11、12、14、15、17)と非木 質の内装写真では、印象が分か れていることが、ひと目で分か ります。  また、木質内装写真は「木材」 という単語の近くに位置付けら れるとともに、その周辺に「あ たたかい」、「友好的」、「明るい」、「快適」、「静か」など良好な印象 につながる単語が位置づけられました。これは、事務所の内装で木材の視覚的影響が好ましい印象をもたらすことを示唆しています。

木材が人の目を引き付ける効果

木材の表面で光が複雑に反射して生まれる特有の照り(光沢)が、 私たちの視線を引き付けるのです。

●「照りの移動」は本物の木材ならではの意匠です。

樹種によっては、材面を傾けながら、あるいは、照明の向きを変えながら観察すると、明る く、照り(光沢)のある部位が動いて見える「照りの移動」が 現れることがあります。左図のトチノキやカエデによ く見られる波状杢は、「照りの移動」を生じる木目の代表格です。  この柄を精巧に再現した印刷シートでもなかなか再現できな い「照りの移動」(右図)は、本物の木材ならではの意匠といえ ます。

●「照りの移動」に人の目が引き付けられます。

モノやコトが人目を引き付け る度合いを「誘目性」といい、そ れは見る人の注意や関心の向き 加減に影響します。木材には、高い誘目性がある ことが明らかにされています。 「波状杢柄を精巧に模した印 刷シート」と「本当の波状杢が 現れたカエデ材」を、照明の方 位を変えながら連続撮影して動 画化し、この動画を見た被験者の視線がどこに停留するかの検 証を行いました(下図)。 照りの移動が生じないシート では、停留点の分布がほとんど変わりませんが、カエデ材は縞 模様の明暗の出現位置に合わせ て停留点が移動しており、高い 誘目性が示されています。

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木材を塗装すると人目を
引き付ける度合いが変わる

木目模様のコントラストの大小が塗装によって変われば、 人目を引き付ける度合い「誘目性」も変化します。

●塗装で木目模様がくっきりするのはコントラストが強調されるからです。

木材に透明塗装を施すと、多 くの場合、材面は暗くなります が、木目模様はくっきりします。  これは、塗装により全体的に 明度は下がりますが明暗の差が 開くことと、彩度が上がって材 色が濃くなるとともに濃淡の差 が開くことで、木目模様のコン トラストが大きくなって生じた 現象といえます。

●塗装により木材の誘目性が変化することが分かっています。

塗装によって木目模様のコン トラストが変わると、木材の誘 目性が変化することが分かって います。  色々な塗装法でコントラスト を変えた木材を用意し、それを 見る人の視線がどこにどのくら い集中するのかを検証しました。その結果を表しているのが右 の透かしモザイク図で、視線が 集中した部分ほど透明度が高く下地の木目模様が見えやすく表 されています。中央部の山形模様に視線が集 中する傾向はA、B共通してい ますが、コントラストの大きい Bでは周辺部にも多くの視線が 集中しています。このことは、塗装によって木 材の誘目性が変化することを表 しています。

木材の触りごこちが与える影響

木材のもつ独特の触りごこち(接触感)は、 人体への生理的なストレスが少ないことが明らかになってきました。

●木材への接触は、生理的ストレスを生じさせにくい、という報告があります。

血圧はストレスがかかると上 昇することが知られています。木材、および他材料への接触が血圧に及ぼす影響について調べたところ、木材は他材料と比 べて、生理的なストレス状態を生じさせにくいとする研究結果 が得られています。 アルミニウム、アクリルなど の人工物へ接触したとき材料が 室温のときも血圧は上昇し、材 料温度が高温あるいは低温のとき、血圧上昇はさらに大きくな りますが、木材への接触においては、室温での血圧上昇は小さ く、低温時には血圧上昇をもた らしませんでした。 このような木材の性質は、人体が直接触れるような用途、た とえばフローリングや手すり、 鍋などの柄に適しているといえ ます。


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木材の衝撃に対する特徴

木材は衝撃力が加わると、塑性や弾性の変形で衝撃エネルギーが 消費されるため、衝撃力を緩和する効果がある材料といえます。

●木造床の構法によって、木材の衝撃緩和効果が変わります。

建物の木造床では、衝撃緩和 効果は床板の樹種や厚さ、下地の材料、床組の工法によって異なります。これを検証するため、特別養護老人ホームを対象としてアンケート調査が行われました。それによると、床板の下に根 太・二重床・その他を施工した 「直貼り以外」の床では、転倒 や転落による骨折事故が、床板をコンクリートの上に「直貼り」した場合の約2/3に減っています(上左図)。これは、根太組の床にすると、 衝撃力が加わって床がたわみ、さらに衝撃が緩和されるためと 考えられます。


木の床が歩行感や安全性に与える影響

木造床の「すべり」や「かたさ」に配慮すれば、 歩行が安定し疲れにくく、転倒による傷害も少なくなります。

●塗装を施さない木質系の床仕上げは、最適な「すべり」になります。

「すべり」は歩行感や運動感に 大きな影響を及ぼすだけでなく、 すべりが不適当な場合は疲労が 増大し足腰部の傷害を発生させ ることにもなります。左図は、人が歩行した時、運動した時の「すべりやすさ・にくさ」(すべり抵抗)を示したものです。塗装を施さない木質系の床仕 上げは、最適に近い範囲に入ります。対して、塗装した場合はすべ り過ぎる場合があります。

内装の木質化が睡眠の質や
知的生産性にに与える影響

木材のリラックス効果により、良質な睡眠をもたらし、 日中の知的生産性の向上につながることが期待されます。

●睡眠の質が向上し、知的生産性する傾向が確認されています。

内装の木質化率によって深睡 眠時間が変わる傾向が確認され ました。 木質化率0%の部屋と比較し て45%の部屋と100%の部屋 は、深睡眠時間が有意に長くな る傾向となりました(下図の左)。また、木質化率の異なる部屋での睡眠後、日中の知的生産性が変わる傾向が確認されました。木質化率0%ケースと比較し て45%のケースと100%ケースではタイピングの作業成績が有意に高い傾向となりました (上図の右)。

林野庁「科学的データーによる木材・木造建築物のQ&A」 より一部を抜粋・転載させていただきました。


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