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- バリアフリー対応。減築により、駐車場と玄関スロープが完備！
バリアフリー対応。
減築により、駐車場と玄関スロープが完備！
築60年の広い平屋は、お施主様が今は亡きご主人と共にはじめて建てた思い出のある家です。転んで怪我をされて、入院とリハビリを経験したお施主様が、安全に心地よく暮らせる家を提案しました。
思い出が多い家では特に、全く新しくするよりは、思い出が、ところどころに残っていたり、時には新たな形で再利用したりしたほうが、幸せな気持ちでいられることもあると思います。
今回は、バリアフリーと、耐震、断熱、床暖房、採光の工夫を盛り込み安全で快適な住まいを目指しました。介護のための車の乗り降りや、玄関までの安全を考慮して、道路側の建物を減築して、ゆったりとした駐車スペースとスロープも計画しています。
減築により、車2台分の駐車スペースが確保されました。車での送迎から玄関までのアプローチの動線が安全になりました。丸型と菱形のデザイン窓が家の顔としてアクセントになり、いい雰囲気です。
東側の外壁は、質感のいいジョリパット塗壁仕様にして雰囲気よく。部屋から外の庭が眺められるように、新たに窓をつくりました。
採光型の明るい玄関ドアは引戸仕様。玄関とポーチのタイルは、明るく楽しい気分になるようなタイルを選びデザインしました。
道路からも駐車場からも玄関まで段差があります。段差部分には手すりとスロープをつけ、安全には十分に配慮しました。
元々は和室だった部屋をリフォーム。洗面、浴室、トイレに近く、生活動線が短く使い易くなるように配慮しました。白く塗装された梁と、高くした天井が、リフォーム前には感じた事がなかった開放感を演出しています。構造上、抜けない柱は新たに壁紙で巻き込み違和感がないように楽しくデザインしました。
読書が大好きなお施主様の為の本棚も造作しました。
今まで窓のなかった西側に、丸型や菱形の装飾窓をつけました。
丸型の装飾窓
家の中を安全に移動できるよう、廊下には手すりを設置。
上写真の円型デザイン窓は、室内からは、廊下の突き当りにこんなふうに見えます。お施主様にとっては、昼間は太陽、夕方になると色目がオレンジ色になりお月様が見える様だと言って、大変喜んで頂きました。
廊下の突き当たり
お施主様は、つまずいて転ぶという不慮の事故で怪我をされて入院、リハビリを経て御入居されました。リハビリ中は、リフォームが楽しみで励みになったとお聞きしました。若い頃にご主人と建てた思い出深い家に、はじめてのリフォームで手を加えました。全てを壊すのではなく、家のところどころに重いである家のパーツを残したり、新たに造作した家具の使い勝手を 以前と同じにしたり・・・。あまりにも思い出深い家の場合は、特に、すべてを新しくするよりも、思い出を残した方があたたかくて幸せな気持ちで過ごせるように感じます。
完成後にはじめてリフォーム後の我が家に入り、感激されてたご様子で「怪我をしなければ、こんな素敵な家に住めなかったわね。」と笑顔でおっしゃっていただいたこと。「（亡くなった）主人もこんなにきれいになって、きっとびっっくりしているわ。」「毎日が楽しいです。」など、宝物になるような言葉をたくさん頂きました。
元気とパワー、幸せを頂いたのは、工事で携わった私達でした。お施主様を支えていらっしゃった素敵なご家族の皆様。大変お世話になりました。ご協力をありがとうございました。
（一級建築士 蓑田 常弘）
